夕方、明日の配車を組んでいる途中で電話が鳴ります。荷主から便が 1 つ増えました。Excel の配車表を開いて空いている車両を探し、時刻を打ち込み、ドライバーの名前を入れる。ここまでは Excel で十分に回ります。

問題は、その 1 便が既に入っている便と時間が重なっていないか、そのドライバーの拘束時間が何時間になるか、が表の上では見えないことです。この記事では、Excel で配車表を作るときの項目の考え方と、Excel のままで回すための工夫、そして「そろそろ限界」のサインを書きます。

配車表に置く項目

無料の配車表メーカーを作るとき、項目は次の 7 つに絞りました。Excel でも同じ考え方で作れます。

項目何を書くか
車両車番か呼び名。1 行 1 車両にすると重なりが見やすい
ドライバー氏名。車両と 1 対 1 とは限らないので、別の列にする
便荷主ごとの 1 回の運行。定期便には名前を付けておく
時刻出発と到着。「午前」ではなく時刻で書く
荷主請求先。後で集計するときの軸になる
積地・着地出発地と届け先。住所全部でなく、現場で通じる呼び名でよい
備考荷姿、荷役の有無、連絡事項

迷いやすいのは「1 行を何にするか」です。1 行 1 便にすると、同じ車両の便が離れた行に散らばり、重なりが見えません。1 行 1 車両にして便を横に並べると重なりは見えますが、便が多い日は列が足りなくなります。どちらも一長一短で、便の数が増えるほど、どちらの形でも見づらくなってきます。

Excel のままで回す工夫

Excel のままで、しばらくは楽になる工夫があります。

入力規則で選ばせる。車両とドライバーの列は、手打ちをやめて入力規則のリストから選ぶようにします。「山田」「山田 太郎」「やまだ」が混ざると、後から集計できません。

前日の表をコピーして翌日の下書きにする。定期便が多い会社なら、前日のシートをコピーして、変わった便だけ直す方が早いです。日付ごとにシートを分け、シート名を日付にしておきます。

時刻は時刻として入れる。「8:00」を文字ではなく時刻の値として入れておくと、到着から出発を引いて、その日の長さの目安を出せます。ここまでやると、Excel でも「この人は今日、長くなりそうだ」が数式で見えるようになります。

限界が来るサイン

それでも、次のことが起き始めたら、Excel の限界に近づいています。

重なりに気づけない。同じ車両に、時間の重なる便が 2 つ入っているのに、表の上では別の行なので見つからない。ドライバーから「昨日、二重に入ってましたよ」と言われて気づく。

拘束時間が見えない。1 便ずつの時刻は書いてあるのに、その日の最初の出発から最後の到着までが何時間かは、目で追わないと分からない。改善基準告示の上限を超えていないかを、配車の時点で確かめられない。拘束時間の考え方は 配車で見る拘束時間の考え方 に書きました。

事務所とドライバーで版がずれる。事務所の Excel を直したのに、ドライバーには印刷した古い表が渡っている。電話で修正を伝えるのが日課になっている。

3 つ目は、Excel の問題というより「1 つのファイルを 1 人が持つ」形の限界です。共有フォルダに置いても、同時に開くと片方が読み取り専用になります。

まず無料の配車表メーカーで試す

私は、この「重なり」と「拘束時間」を表の上で見えるようにした、無料の配車表メーカーを公開しています。車両・ドライバー・便を登録し、便をドラッグで車両に割り当てると、同じ車両や同じドライバーの時間の重なりを赤く表示し、ドライバーごとの拘束時間の目安が 13 時間を超えると警告します。前日のコピー、A4 の配車表と日報の印刷、今お使いの Excel からの取り込みもできます。

登録は不要で、データはお使いのブラウザの中にだけ保存されます。そのため、3 つ目の「事務所とドライバーで同じ表を見る」は、この無料版ではできません。そこから先は、御社向けに作る範囲です。

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